2018年3月23日更新

今回のきらっとさんは、奈良から移住してきたロペスこと中野広夢さんです。ロペスというあだ名の由来は、高校時代のバスケットボールのコートネームから。身体も大きく、顔もラテン系外国人のようで相手チームに気後れさせる効果もあり、ロペスという名がついたそうです。現在、paletteというローカルメディアの編集長兼ライターをされています。また、元教員という経歴もあり、「教育」への思いが垣間見られるインタビューになりました。

奈良から移住して、加古川を盛り上げる編集長兼ライター、ロペスさん

オンラインメディアのpaletteを始めるきっかけは?

「『人々の毎日を幸せや、感動や、喜びの溢れる世界に』というミッションに感銘を受け、株式会社ワンピースに入りました。当初、教育事業の立ち上げを希望していたのですが、まちづくりを推進するコミュニティ事業部に配属されました。地域の外から来て、取引先、仕事関係の知り合いはもちろんのこと、プライベートの友人もいない状況で、まちづくりの仕事を始めるのは簡単なことではありませんでした。そんな中で自分にできることは何かを考えた結果、私のような地域外の人間の目から見た地域の魅力を発信するメディア事業が良いのではないかと思い、会社に企画提案して立ち上げました。」

 

paletteの名前の由来と読者層は?

「地域の人や場所の魅力、個性を引き出し、そして混ぜ合わせて新しいものを描いていく、そんな場にしたいという想いを込めてつけました。現在、中高生から35歳くらいまでの若い層を中心に読んでいただいています。私がこの地域へ来た当時、若者を中心にしたコミュニティがあまりなかったため、若者と親和性の高いSNSを活用して、読者の取得はもちろん、新しいコミュニティをつくっていければと考えています。」

加古川やこの周辺地域には、ネットのローカルメディアがありますが、他との違い、ここに力を入れているという点はありますか?

「写真を貼って、ちょっとした街の情報を出していくというのではなく、文章を読む習慣のある人や読み応えのある記事を求めている人に向けて書いています。人物インタビューの場合、4,000字を超える読み応えのあるものになっており、その人の哲学や思想などを丁寧に聴いて記事に起こしています。掲載当初だけで流れてしまうのではなく、その方が関わるイベントや新しいトピックスが出た時にも、参照できるような耐久性のあるものを記事にしたいと思っています。」

paletteは、地域の魅力を発信する他に、イベントなどを企画、実施しているようですが、「脱出ゲーム&鬼ごっこ」や「ジケフォト」、「Poison bar」など、どんな思いが企画に結びついているのですか?

「元々学校教員、公務員だったので、批判的なことやエッジの効いた企画ができなかったこともあり、もっと過激で面白いことや尖った表現を求めていました。その時のフラストレーションが創作意欲につながっているのかなと思います。」

 

その中で具体的に1つ事例紹介をお願いしていいですか?

「Poison barという世の中のきれいごとを徹底的にディスっていく(批判してく)という企画です。僕ら世代は、きれいごとに辟易(へきえき)しているところがあって、結局のところそうじゃないでしょう、と斜に構えてみている人も多いのです。そういう層にヒットするコンテンツとして開催しています。実際に斜め視線で物事をみるという場を作ってみると人が集まってきてくれた。そういう場が求められているのだなと感じています。」

どういった方が集まってくるのですか?

「立場上きれいごとをかかげざるを得ない職業の方が多いです。現実は、きれいごとだけでやっていけないところがあって、かかげた理想と実態が乖離していたり、どこかで誰かが苦しんでいたりそういった不満が溜まっていくので、その毒を開放したり、適切な形で向き合いたいという方たちが集まってきています。」

ストレスを発散する方法がわからない人が多いのでしょうか?

「以前はSNSなどがそのはけ口を担っていた面もありますが、SNSがどれだけ流行っても他者、関係者からの目があって言いたいことがなかなか言えないのが現状だと思います。他者の目線があるという意味ではSNSに限らず、どの環境になっても同じです。Poison barに関しては、話された内容をだれがしゃべったか、ルールで一切もらさない、クローズにしています。そこがよかった。」

教育への思いと今のメディア運営でリンクすることってありますか?

「何かに挑戦する人に寄ったメディアになっていると思います。成長していく人間の姿を追っかけるのは、職業病というか、好きなのです。誰もみつけてない人の価値を見つけるというところに重きを置いています。学校で言ったら、テストや偏差値という共通の物差しがありますが、それで測れない才能を持った子どもとか確かにいて、そういう子の才能を引き出した時って、熱くなるのです。キャッチ・スポット・スプレーというのですが、その子の強みをキャッチ(捕まえて)、スポットライト(焦点)を当てて、スプレー(全体に拡散)していく。これは教員時代、授業の中でもよく取り入れていました。現在メディアを運営している中でも『みんな知らんかったやろ、この人すごいで。』と焦点を当てて、広げていくという意味では、教員時代としていることは一緒だと思っています。 “クラス”か“地域”かの違いでやっていることとしては、変わってないと思います。」

加古川に住んで半年くらいというところで、加古川の印象はどうですか?

「最初、加古川ってどこ?と思いました。まちづくりに熱心な方とは、違う意味で、加古川って僕ら世代は好きだと思います。加古川の都市部では、田舎のようなわずらわしい地域コミュニティに入らなくて済むし、都会ほどうるさくない、家賃や地価も高くない、ほどほどパラダイスだと思います。だからこそ、まちづくりが難しい。大きな課題があるわけでもなく、目指したい姿があるわけでもない。みんなほどほどに満足している。ただ一方で、人はとても魅力的だと思っていて、最近の神戸新聞の東播欄も私を含め加古川の人がとりあげられているのをよく見ます。なのでそういった人たちの力を引き出していければ、もっと面白くなるまちなんじゃないかとワクワクしていますね。」

今後の展開は?

「paletteについては、人の芯、哲学を掘り起こして、心動かせるような、何か糧になるような記事を書いていきたいです。個人としては、人間としてまだ浅いところがあるので、深くしていきたいと思っています。人としての厚みを出していきたいのでインタビューをどんどんやっていって、いろんな人の価値観や思想に触れていく中で、哲学を醸成し、自分の成長を追求したいと思っています。」

palette
*WEBサイト (https://www.palette.fun/)
*Facebookページ (https://www.facebook.com/Palette-159334764640863/)
*Instagram(https://www.instagram.com/palette.kakogawa/)

 

 

 

中野 広夢(palette(株式会社ワンピース))のワークショップ